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【配偶者控除および配偶者特別控除】パート主婦の年収の壁とは?

2019年1月29日

2018年1月から配偶者控除および配偶者特別控除の見直しが行われ、配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額などが大きく改正されています。

 

 これまでの仕組み

それまで夫は妻を税法上の扶養とするために、パート等で妻が働く場合でも年収(ここではサラリーマンの額面を指します)103万円を超えないようにしていた世帯が多く、いわゆる「103万円の壁」がありました。つまり、「103万円の壁」とは、妻が所得税を支払わなくて済み、同時に夫も配偶者控除が受けられ所得税が軽減されるギリギリのラインという意味を示すものでした。

それが2018年1月の改正で「150万円」まで引き上げられたのです。しかし、単純に「妻が年間47万円分多く働いても扶養に入れられる」という理解は間違いです。今後も配偶者控除を受けるには、注意が必要です。

昨年までは年収103万円以下であれば、夫は配偶者控除として一律38万円の所得控除を受けることができました。これは、夫の所得税を低くできる効果があります。夫がいくら稼いでいようが関係なく、妻の収入さえうまくコントロールできれば、配偶者控除が受けられたのです。そして、妻の年収が103万円を超えると、夫は配偶者特別控除を受けることができ、妻の年収が141万円になるまで段階的に減少する仕組みになっていました。

それが、2018年1月1日以降、下記のように変わりました。

 

 2018年1月1日以降の変更ポイント

ポイントは4つです。
1.夫の年収が1220万円を超える場合は、配偶者控除が受けられなくなった
2.配偶者控除の控除額が一律38万円ではなくなった
3.妻の年収が201万5999円になるまで配偶者特別控除が受けられるようになった
4.配偶者特別控除の控除額が夫の合計年間所得によって変わった


ただ、このとき注意したいのが、社会保険です。社会保険には106万円、130万円の壁と言われているものがあります。

以下の条件に該当する場合が、いわゆる106万円の壁と言われるもので、短時間で働く場合も妻自身が被保険者として社会保険に加入しなければなりません。そうなると、今まで発生しなかった健康保険料や厚生年金保険料が発生し、かえって手取りが低くなってしまうこともありえます。

また、妻の年間収入が130万円以上になると、妻自身が社会保険に加入することになります。

なお、配偶者の勤務先が従業員501人以上の企業で、1年以上働いていて、週20時間以上勤務している場合、壁は106万円まで下がってしまいます。130万円または106万円の壁を突破してしまうと、自身で保険料を払う必要が出てきます。社会保険のうち国民健康保険の保険料は月額3,000円から5,000円、国民年金保険料は月16,490円なので、年間約24万円手取りが減ります。

そのため、以上の条件に該当しない範囲で働き方を抑制する動きも見受けられます。あるいは、手取りが増えるように年収150万円まで働くか、もっと突き抜けてフルタイムで働こうという考え方もあるでしょう。妻が働く職場によって、社会保険の考え方も変わってくる点に留意したいところです

 

HPH190116-004-01

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