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学校や地域との関わりを考える

2018年10月30日

今回は、PTAについて取り上げてみたいと思います。

昨今、核家族化や共働き世帯の増加といった時代の変化を背景に、これまでのPTAの組織の在り方や運営方法を見直し、新たな組織の形を模索する動きが各地で顕著になっています。
PTAとは、「Parent-Teacher Association」の頭文字をとったもので、学校単位で結成される保護者と教職員による連携・協力組織(社会教育団体)のことを言います。教育環境の向上や健全な育成などを目的として、各学校の保護者と教職員によって自主的に結成・運営されています。

PTAは、「任意団体」の位置づけであり、原則として、組織への加入や脱退等も各自の任意となっています。しかし、これまでは、日本の慣習として、ほとんどの学校において、保護者の全員参加を前提とする「全員加入方式」がとられてきました。 この「全員加入方式」による「ピラミッド型」の組織には、運営上、PTA会長に窓口が一本化されることで、学校と保護者の間の伝達や交渉、了解といったやりとりをスムーズに行うことができるというメリットがあります。そのため、学校側もこうした組織の体制や運営方法を支持してきたのです。

しかし、その一方で、
①保護者の会員意識が低い
②一部の役員への過重負担
③学校の財政支援団体に陥りやすい
④保護者と教員の役割分担が曖昧
といった多くの課題を抱えており、それが昨今の組織改革の動きに繋がっていると言うことができます。

家事や仕事で多忙な保護者にとって、PTA活動への参加は「重荷」であり、役員の成り手もなかなか見つからないのが現状です。保護者の中には「やらされてる感」を口にする者も多く、かつてのような役割分担は容易なものではなくなってきています。

そこで、各地のPTAにおいて、これまでの取り組みを参考に、活動内容のスリム化、負担の軽減、組織運営の見直し等が検討されるようになりました。その多くが、「全員加入」から「任意加入」への移行、より多くの保護者が「可能な範囲」で「気持ちよく」参加できるような組織への移行を目指しています。

新しい組織の方向性としては、
①保護者の自主性を尊重する「ボランティア型」組織への移行
②地域社会(Community)を巻き込んだ新たな組織(PTCA)の構築
③教育提案型組織への移行
といった様々なアイデアが示されており、現在、実現に向けた模索が各地で続けられています。

但し、こうした取り組みには、強いリーダーシップや求心力、そして、周りの更なる理解と協力が必要不可欠です。改革を一過性のものとして終わらせることなく成功へと導いていくためには、まずは、私たち一人ひとりが当事者としての意識を持つことが大切なことだと思います。

昨今、高齢化や共働き世帯の増加等に伴い、学校や地域の活動の多くが組織の在り方や運営方法の見直しを迫られています。子育てと仕事とを両立させていく上で、一保護者、一住民として、こうした学校や地域の活動にどのように関わっていくべきか、今一度、考えてみてはいかがでしょうか。

HPH181004-003-01

 

 

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